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泊まってみた!くにさき半島(旅庵蕗薹 編)

更新日2020年10月23日

泊まってみた!シリーズについて

 六郷満山日本遺産推進協議会のメンバーは、「くにさき」に住んでいますので、「くにさき」のお宿になかなか泊まる機会がありません。しかし、「それでは「くにさき」の旅の本当に良いところを皆さんにお伝えできない!」ということで、協議会メンバーが実際にくにさき旅を楽しんでみて、本当にオススメできる旅・お宿を紹介するコーナーを作ってみました!

TRIP1:地域食材の美味しい料理&宿泊客限定の温泉 ~旅庵蕗薹~

 2020年秋、今回は協議会メンバー2人(学芸員のまっちゃん、観光係のゆう)と由布市の友人(ジョン:写真撮影係をしてくれました)の3人で男旅。
ジョンは「くにさき」初心者ですが、くにさき在住のゆうにとってはいつもと同じコースでも面白くないので、学芸員のまっちゃんが【有名スポット】と【ディープなスポット】の両方を巡るスペシャルな「ミステリーツアー」を企画!
 旅庵蕗薹への宿泊をメインの目的にしつつ、くにさき半島をぐるりと楽しみました。

~ 旅の1日目 ~

 男たちの昼の腹ごしらえと言えば、ご当地ラーメン。「くにさき」の海が見える道を北上し香々地へ。今年オープンしたばかりの「中華そば 山猫」へ向かいます。
 煮干しが香ばしい中華そば。午後からの散策に備えてチャーシュー麺OR全部のせをいただきました。

中華そば山猫(香々地・見目)

男は黙ってチャーシューメン!

豪華な全部のせ 海老雲吞が付き、玉子は1個

 せっかく香々地谷まで来たので、まずは夷谷で風景を愉しみます。高所恐怖症の人がいるので、今回は中山仙境はおあずけ(涼しくなってきたので、登山客の方が駐車場に結構いました)。
 一路一景公園から奇岩の連続を眺めた後は、まっちゃんの濃厚なガイドを受けながら、名勝「中山仙境(夷谷)」に根付いた文化を巡ります(少しだけ山歩きをしながら、猿田彦大神像庚申塔や兄弟割石を見学しました)。

夷谷の峰々 曇りでしたが雰囲気がありました

猿田彦大神像庚申等塔

少し冒険感があるミステリーツアーの様子

 その後、田染方面へ。途中、富貴寺の民話にも登場する霊場「塔ノ御堂(とうのみどう)」へ立ち寄りました。民話では富貴寺大堂の材料となったとされる「大榧(かや)の木」の影が、夕方には塔ノ御堂にも伸びたとされています。
 "塔"ノ御堂の名にも冠される塔というのは、ここにある大きな国東塔のこと。鎌倉時代の巨大な国東塔で、塔身の四方に仏像が彫りこんであるのが特徴ですが、現在は一部の部品が失われています。
 ここまでは、少しディープなスポットで、ジョンもゆうも初めての場所でしたが、「くにさき」の石の文化に触れつつ、「ミステリー」な感じが面白いと感想を言っていました。

マイナー遺跡にまっちゃんがズンズン進みます

塔ノ御堂の国東塔です。壊れていますがかなり大きい・・・!

その後は、田染荘のゴールデンルートでもある「真木大堂」「田染荘小崎の農村景観(夕日岩屋)」「富貴寺大堂」を見学。田染荘は文化財の宝庫として知られていますよね。

夕日岩屋から見下ろす水田 ちょうど秋

なぜか富貴寺大堂を撮り忘れたのですが、晩秋には紅葉も楽しめます!

~ 夕方17時過ぎに、旅庵蕗薹(りょあん ふきのとう)に到着 ~

富貴寺のすぐ隣という、歴史と文化の風を感じる立地に、宿坊風の落ち着いた佇まいがします。玄関には富貴寺の元三大師(いわゆる角大師)のお札も貼ってありました(コロナ対策ですかね?)。

宿坊風の落ち着いた旅庵蕗薹(ふきのとう)

元三大師の護符が貼ってありました(病魔退散!)

この日に泊まったのは、指月庵(しげつあん)。旅庵蕗薹には、宿泊者限定の温泉もありますが、指月庵・妙蔵坊の2部屋は檜の内風呂も楽しめるリッチなお部屋です。「くにさき」の山道や石段を歩き回った疲れも吹き飛びます(大きな風呂も開放感があっていいですし、独りでゆっくりできる内風呂も最高です!)。

いざ、指月庵へ・・・!

すぐゆっくりしたくなり、ごろ寝しながらパシャリ!

大浴場(宿泊者限定です)

内風呂は檜風呂。蕗薹でも数部屋しかないリッチなお風呂です。

日も沈んで、お楽しみの夕食タイム。「くにさき」で採れた野菜などをふんだんに使用した料理が並びます。豊後高田の特産品である落花生を使った落花生豆腐も新食感の柔らかさで、刺身こんにゃくもお酒に合います。

蕗薹の食事はここで。雰囲気もよいです!

精進料理風のお膳 地元の食材がてんこ盛りです。

そして、お待ちかねのメインは豊後牛・ぶんご合鴨の陶板焼き(写真は豊後牛2人前+ぶんご合鴨1人前)です。
豊後牛には大きく美しい霜降りがあり、風味の甘い上質な脂の味わいと、柔らかい肉質が特徴です。あまり焼きすぎないように、1枚ずついただきました(笑)が、やっぱり脂が融けるような舌ざわりで、一口で幸せな気分になれますね。
ぶんご合鴨は、富貴寺のある蕗谷で育成している合鴨で、柔らかくジューシーで、大ぶりにカットしてあるので、しっかりとした食べ応えでした。豊後高田の名産・白ネギとの相性もバッチリです!

メインの陶板焼き(合鴨①・豊後牛②の3人前です)

〆に出てくるのは、修正鬼会の鬼役も担い、蕎麦打ちの鬼(匠)でもある富貴寺副住職の河野順祐さんが打ったお蕎麦です。目の前で蕎麦打ちの様子を見る事ができるのも、とても贅沢です。挽きたて・打ちたて・茹でたてのお蕎麦は、程よくコシがあり、香りも絶品です。これをゆったりとした時間の流れの中で、しっかりと味わうことができ、それだけでも旅庵蕗薹に宿泊する価値がありますね。

そば打ちの様子も見学できます

豊後高田と言えばお蕎麦!香り高く、コシがあって美味しい!

 大満足の食事の後は、部屋に帰って、温泉に入り、無明橋とバンジージャンプどっちが怖いかという話をしながら夜は更けていきました。

~ 旅の2日目 ~

 早朝、若干1名のいびきが大きいというハプニングもありましたが、おかげで早起きできて再び温泉を満喫できました。
 そして、朝食がまた美味い!こんな朝食なら毎日食べたいと久々に思った気がします。

朝食が美味い!心の底から癒されます。

 2日目の目的地は、熊野磨崖仏。かつて和歌山県の熊野の修験者たちが霊場を作り上げたことから、この地は熊野と名付けられたといいます。
 鬼が築いたという伝説の残る石段は、荒々しい自然石の乱積みで、厳しい修行の雰囲気を味わえます。石段の途中で左側に見えてくるのは、大きな不動明王と大日如来の磨崖仏。

 まっちゃんのオススメの見方は、磨崖仏を斜めから見る事。岩から浮彫になっている2つの磨崖仏のつくりの違いをよく観察することができます。大日如来のリアルな造形には毎度感心させられます。

険しい石段を登ります!

熊野磨崖仏 不動明王像に到着です

熊野磨崖仏 大日如来像

神社脇の小屋の隣からほぼ真横(落ちないよう気を付けてくださいね)

 楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。2日目もお昼となり、1泊2日の旅も終了です。
 今回の旅を振り返ってみると、国東半島の自然と文化と伝説をたどる充実したコース。国東半島には、見るものがたくさんあって飽きないですね。旅庵蕗薹では、ゆったりとした時間が流れ、体も心もリフレッシュできました。

 ぜひ今回の旅を参考に、国東半島を訪れてみてはいかがでしょうか?